<<< 阿下(あげ)の朝日 >>>
朝靄に立つ鉄塔
広島県福山市の北部に位置する神石郡神石高原町に油木がある。
その町の近くに雲海を撮影しに行った。

雲海であるが、この日に目に入った景色は、雲なのか霧なのか靄(もや)なのか? 
私は靄だと思った。雲海の全景よりも一部に目がいってしまった。

他のカメラマンもいて、その話声が聞こえた。
「自然の景色に鉄塔があって人工物は似合わないね・・・、あまりいい景色でないね」。と話をされていた。

ここに来ること自体、鉄塔が何本もあるのは解っていただろうに?

特に、自分にはこの鉄塔が靄の中に立つ姿が気に入ったのだが、否定されると、私の考え方が違うのだろうかと少し不安になった。

しばらくして日の出とともに、太陽光が差し込み始め、靄の中に鉄塔がシルエットとなって見えた。自分では、「鉄塔に朝陽が当たり自然と溶け込んでいるジャン・・・」と独り言をいいながらシャッターを切る。

太陽が出て少しすると、赤味がなくなり、白くなるので、ファインダーから太陽を外してみる。霧というか靄というか、なかなか綺麗な赤色をしているではないか?

戻る

朝陽と夕陽の旅
Photo:okamura