<<< 田沢湖の夕陽 >>>
突然現れる雲は辰子伝説を思い浮かべる

湖の最大深度は423.4mで日本第1位。湖面標高は249mなので最深部の湖底は海面下170m以上のところにある。

日本の朝陽&夕陽を目指している中に、湖も押さえたいポイント。琵琶湖・宍道湖・十和田湖と・・・。
田沢湖に来る前には、猪苗代湖に寄ってくるつもりだったが、大雨と雷で断念した。

実をいうと、猪苗代湖の朝日を撮影して、その日の夕日撮影として田沢湖を計画に入れていたのだが、なんと、猪苗代湖をパスしたのに、田沢湖の朝日に間に合わなかった。
あと、1時間30分が無理だった。
家を出て約1300kmを19時間という根性で走ったのに。

そこで、やっぱり露天風呂に入って汗を流そうということになる。田沢湖の近くに“乳頭温泉”があり、日本でも有名な“鶴の湯”へ行ったが時間が早すぎて入浴できない。そこで、秘湯の“孫六温泉”に行った。
私の旅は、有名な観光地を回ることはしないが、時に温泉だけは行きたいと考えている。秘湯と聞けば、浸かってみたくなるのだ。
本当に、東北の温泉は良い。
なんとも、情緒もあるし、天然のお湯は最高だ。

温泉に入っても、夕方までは時間がある。
田沢湖に戻り、撮影場所を見つけるため一周した。
なんと言っても、田沢湖と言えば“辰子像”は見ておかねば。
辰子像は薄絹を身にまとって金色に輝く像で、田沢湖のシンボル的存在。像の後ろには秋田駒ヶ岳が見え湖畔の絶景ポイントとして観光客で賑わう。

文章的にも少し長くなったついでに、撮影の旅での食事を紹介しよう。ここでは、昼間に時間があったので、昼食をお見せします。
まず、場所は景色のいい場所。今回は田沢湖が見える位置で後ろに山といった所。風を遮るために後部の扉を開けて背にする。
献立は、家を出る1週間前に買出しして、それを小分けにして冷凍してある。食べたいものを少しづつだして食べる。
この旅では天気も良く5回もできた。自炊のいいとこは、景色のいいとこで、いつでも時間を気にせずにできること。
本当に海や山や川などを見ながら食べる食事は、最高ですよ。


さてそうこうしていると、太陽も西に沈みかけた。
湖に近づいて、水際まで歩いてみた。

空は、ごく普通の感じであったが、少しすると奇妙な雲がでた。
あたかも突然現われた雲が龍のように感じられた。
ここ田沢湖の辰子像には数種類の伝説があり、辰子像を見た私は、いずれも人間から龍に姿を変えられた八郎潟の主(八郎)と田沢湖の主(辰子)が恋仲となり田沢湖で暮らすようになり、八郎潟は浅くなり主の増えた田沢湖は逆に深くなったいう説を信じる。

また、撮影の時、妙に後方から冷たい冷気を感じていた。
こういうときは、私は言葉にして「私は綺麗な景色を撮影しているだで、何も邪魔はしません。私について来ないでと・・・」
手で肩を叩き払うようにしてます。
何かを感じる場所は、今までも何度もありました。
こういう時は、恐れず、自分の存在をハッキリさせて、私には付いて来ないでと頼むです。(あなたは信じるかな?)

すると、太陽が雲で真っ二つになった。一瞬のできごとだが、この光景には、辰子像の伝説を思い浮かばされた。
まもなく、赤い夕陽となり、ごく普通の景色になったのだ。

なにかが起こりそうな気配。
しかし、夕暮れと共に辺りは暗くなり、期待した・・・何か・・は起こらなかった。



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朝陽と夕陽の旅
Photo:okamura