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海に浮かぶ“不老ふ死温泉”からの夕陽
先に言っておくが、私は温泉マニアではない。
ここ黄金崎不老ふ死温泉は、夕日が海面すれすれの湯ぶねから見れると有名な温泉であることを知ったので訪れた。
また、ひょうたん型した湯ぶねには、黄金(こがね)色した、お湯が掛け流しているとのこと。

全国的に知名度が高い温泉は、おおように若者にも人気が高く、もの珍しさに訪れる者も多いようだ。

おそらく考えるに、温泉マニアの間では、こういう特別な要因を持った温泉には、その条件がみなされて始めて、「どこどこの温泉に浸かった」と言うのだろう。
不老ふ死温泉は、海面すれすれの湯ぶねから、水平線に沈む夕日が見えて、この温泉に浸かったと言えるのであろう。
GW中とあって、その要因に拘ってばかりとは言えないようで、日がまだ高いのに、次々と入浴をしているようだ。

私自信も、湯ぶねに入って夕日を見るか、夕陽撮影に専念して湯ぶねの外で、その光景をカメラに収めるか少し悩んだ。
しかし、先にも言ったが、私は温泉マニアではなく、夕陽を撮影しにきているので、湯ぶねの外に居ることにした。

太陽が沈むその時には、湯ぶねの中は30名を越える人。
皆が、日本海に沈む夕日を見るのに同じ方向を見ているのは、その瞬間を待っているからだ。

でも、その他の理由もあるのです。
この湯ぶねの横には別に女性専用があるが、有名なひょうたんをした湯ぶねは混浴なのです。
であるから、この湯ぶねの後ろに、何人もの女性が入浴するのではなく、夕日を見る為に居るのあろう。
ですから、おとなしく入っているように見える。

こんな贅沢な温泉に浸かっている人達はさぞかし満足だろう。

露天風呂・掛け流し・混浴・海の中・日本海に沈む夕日とこんな条件が揃う温泉に入浴することは、普通の人なら生きていて3度とないことだろう。

その後、夕日が沈み十数分後に、ひょうたん型の湯ぶねには私を含めて4名足らずだった。

まるで祭りの神輿が通り過ぎた後のように、静まりかえっていた。

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朝陽と夕陽の旅
Photo:okamura