<<< 大間崎(おおまざき)の夕陽 >>>
奇跡的な2分間の夕陽
2005年の5月に、「日本の朝陽&夕陽の旅」に出かけた最大の目的は、本州最北端の大間崎で夕陽を撮ることだった。

大間崎に着いたのは15時で、最北端で車で停車できる「本州最北端の石碑」の前で愛車を入れてパチリ。その石碑が上の画像の下の左端に写る。

車を無料駐車場に停めて、観光を兼ねて1時間30分ほどウロウロ歩き回り、撮影ポイントを大間崎の東側の漁港に決めた。

いつとなく強風で海も荒れ、太陽が出ることが少ないと話には聞いていたが、まったくその通り。 津軽海峡を隔てて北海道は見えない。
寒さを伝えるとすれば、その時の着ていた服は、シャツと長袖セーターとジャンパーを着て、その上にロングのフード付き防寒着を被って頭には毛糸の帽子と真冬並みの格好をしているが、それでも風の当たる顔が寒いこと。

それでも、17時過ぎ、旅の最大の目的を果たすためカメラれんず200m・F1.8のレンズを付けてセットアップ。 撮影のポイントでは防波堤を乗り越える高さの大活躍するルーフキャリア。今回はこれがなかったらこの位置では撮影は無理だっただろう。

かなり興奮状態でイキガッテいるが、天気は曇天で、時折雨がポツリポツリ。この天候が回復するなんて、カメラを構えている本人ですら、90%以上は諦めている状態。
この時間には、大間崎の最北の石碑にいた大勢の観光客が、パッタリいなくなっている。天候が悪くなり寒いせいだろう。

15時20分くらいから、薄っすらではあるが太陽の光りが差し始めた。でもまだ雲は厚い。

突然と出る太陽は、今までの撮影中に何度か経験しているので、とにかく撮影のスタンバイはしている。

天候に奇跡が起こったのです。

神様は、私に味方をしてくれた。

15時49分に、夕陽と言える(私の中では太陽の陽射しではない)瞬間が起きた。
数カットのシャッターを我武者羅に切った。
できれば画角的には、横いちで本州最北端の地と津軽海峡に落ちる夕陽を夢みていたのだが・・・。

17時51分の太陽を最後に、再び顔を出すことは無かった。
太陽は海面(北海道かも)に落ちることなく雲の中に消えていった。

その後、東側から横なぐりの雨が降り出した。


結果的には・・・
夕陽と言えるのは、2分足らずのドラマだった。
完璧なまでの夕陽ではなかったが、ある意味では1度目で撮影できたことは、奇跡的に近かった。
また、よく考えてみると、旅に出る前に、本州最北端の大間崎で夕陽を撮影するとばかりに言っていたが、撮影できなかったらという気持ちは無かった。考えていなかった自分が恥ずかしい。
たまたま、撮影できたから言えることだろう。

戻る

朝陽と夕陽の旅
Photo:okamura