車中泊 カーネル vol.15 ★鳥取砂丘〜浦富海岸を巡る★ Part10 私の撮影旅は3種類の手段がある <<< 2012年12月8日発売 >>> |
私の撮影旅は日数によって違う。 地元・近距離・遠距離と分けている。 年間を通して趣味を楽しむには一泊の車中泊を一番活用する。 そんな近距離一泊の撮影旅を紹介しよう。 |
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<<<P58とP59>>> 年間を通して撮影に出かけるためには、 3種類の手段がある 私の場合、太陽を追いかける撮影旅にでかけられる手段として3種類の方法がある。 その1は、近場で朝3時過ぎに家を出て8時までに帰宅して仕事に出勤する。休日なら夕日を撮影して夜に帰宅する地元撮影である。近いだけに1週間、連日撮影に出かけることもある。 その2は、1泊して中国地方・四国地方などの近距離をポイントで撮影する。 その3は、1度の旅で2〜10泊をかけて九州・東北・北海道など、数千キロを走破して撮影するスタイルだ。 今回は、その2、1泊の車中泊の撮影旅について紹介しよう。 近距離地での撮影なら朝日も夕日も簡単にゲットできるように思われがちだが、なかなかそう簡単にはいかない。近距離地(1泊で行ける圏内)ならでは、もっと綺麗な場面を撮影しようと何度も足を向けることになる。10年間で山陰地方(四国も含め)に何度通ったことか。山口県の角島〜萩〜津和野。島根県の出雲〜宍道湖〜日御碕〜中海〜弓ヶ浜。鳥取県の大山〜鳥取砂丘。兵庫県の丹後半島。 中国地方では日本海に面した地形や風景は特有の景色が見られる。今回は、その代表的な山陰海岸国立公園・鳥取砂丘を中心に走ってきた。 何度も趣味を楽しむには一泊の車中泊が有効 休日前の仕事を終えて家を出て20時頃、コンビニで夕食と次の朝食をゲットしてから目的地を目指す。仕事後のため運転で疲が出るので、遅くても1時頃には車中泊をするように心がけている。3〜4時間ほど寝て撮影に入る。近距離地での撮影ポイントは、すでに把握しているので朝起きて慌てて撮影場所を探す必要がなく、カメラのセッティング時間が少なくてすむ。 一般的には数泊の車中泊をしてこそ「車中泊で旅をした」といわれるだろう。しかし、趣味として魚釣り・登山・サイクリング・マラソン・写真・スキーなどで車中泊している人も多い。1ケ月に何度も趣味を楽しむことは休日を使う。しかし休日の朝に出掛けると走行できる範囲もズット狭くなり、帰宅時には疲れもドット出て次の日の仕事に悪影響となる。そこで、誰もが考えるのが前日から出掛け、車中泊で1泊すつろいう方法法だ。行動範囲が広がり利便性が高まる。 鳥取砂丘での車中泊場所は、砂丘の近くの駐車場を利用した。 大地の造形美、鳥取砂丘を歩く 山陰海岸国立公園・鳥取砂丘は長い年月をかけてできた日本最大級の砂丘。風紋などの雄大にして繊細な風と砂の力に魅了される。観光や撮影に何度か行ったが夏の炎天下の砂丘は最悪で、砂に埋まる靴が砂の熱さで足に伝わってくる。地面からの反射熱も身体に照り返す(5月は裸足で歩くと気持ちいいヨ)。いいかげん疲れが溜まった頃に砂の山「馬の背」にたどりつく。登りきると真っ青な日本海が目に飛び込み、吹く潮風は汗をイッキに吹き飛ばしてくれる。 日差しから逃げるように「砂の美術館」へ行ってみることにした。 鳥取砂丘の一角に野外美術館があって、毎年テーマーを変え、世界トップクラスの砂像彫刻家が作品を創り展示されている。繊細な砂で圧倒的な存在感にあふれ、感動的だった。 山陰海岸ジオパークの美しい海岸線を走る 西の鳥取県鳥取市白兎海岸から東の京都府京丹後市経ケ岬までの東西約110kmの「山陰海岸ジオパーク」が世界ジオパークに加盟認定された。日本海形成に関わる多様な地形・地質と文化・歴史の関わりを体験できるところだ。 クルマで海岸線を走ると真っ青な海と空と打ち寄せる波が白く印象深い。何処か朝日と夕日撮影のポイントはないかと海岸線を駆け回る。道沿いからは日本海の荒波と風雪が彫り上げた絶壁や洞門や奇石などの豪快な景観はみることができないが、冒険クルージングで島々を遊覧船で巡ることができる。何度もクルマを停めて撮影場所を探す。 浦富海岸は「山陰の松島」とも呼ばれる景勝地だ。その中の札場所で有名な「菜種島・菜種五島(なたねごとう)」にカメラをセットすることにした。ほかに砂丘付近での撮影ポイントを探して「餘部鉄橋」や「東郷湖”にも立ち寄った。 --- メモ --- 記事として掲載されていない 今回は、1泊の車中泊で山陰を目指してみたが、頑張れば自宅から往復600〜800km程度を車で走りカメラ撮影の時間も確保できて朝日と夕日も取れることになる。そのことで、年間に何度も出掛けることができて撮影時期を変えることも可能になり綺麗な景色に遭遇する可能性が増すことになる。 しかしながら、私の思い描く朝日と夕日にはなかなか出合うことは少ない。 これからも太陽を追いかけて感動を求める旅は続くだろう。 |
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<<<58・59ページの写真の説明>>> 記事は過去3回の旅から〜 2007年5月 −丹後半島〜餘部鉄橋〜鳥取砂丘 2010年8月 −鳥取砂丘〜東郷湖 2012年9月 −鳥取砂丘〜餘部鉄橋 鳥取砂丘は、8回以上は行っている。 キャプション 01 57ページの上大きい写真 菜種島・菜種五島(なたねごとう) 高さ約60m、周囲400mで春には野生化した菜の花が咲き乱れることからこの名が付けられた。五つの島が美しい配列を形成しているのが“菜種五島”。 キャプション 02 西脇海岸 東浜海水浴場の西に位置し、花崗岩の島々から形成されている。青い海、白い花崗岩と砂浜、小鳥や山の松の青さが絶景をつくり、「寝覚めの佳境」とも称させている。 キャプション 03 兵庫県新温泉町居組にある“県民サンビーチ” 。海岸線を走っていたら突如としてこんなに綺麗な景色に出くわす。こんな綺麗な砂浜に1日でもゆっくりしたい気持ちなる。 キャプション 04 ジオパークとはユネスコが支援する世界的な自然公園。 地質学的に重要で貴重な地層、岩石、地形、火山、断層などの地質遺産を含む一種の自然公園。平成22年10月に浦富海岸を含む山陰海岸ジオパークが世界ジオパークネットワークに加盟認定された。 キャプション 05 真夏の砂丘だというのに観光客は暑い日差しの中を“馬の背”を目指す。ペットボトルを片手に水分補給をしながら日本海が一望に見える砂丘へ歩く。 キャプション 06 山陰海岸ジオパークの海岸線を走ると海の中に岩が点在する。もっと大きな奇石や絶壁を見るためにはクルージングで巡ることになる。 キャプション 07 58ページ 上の大きい写真 日本最大規模を誇る「鳥取砂丘」南北2km、東西16km、最大高低差90mとまさに日本一のスケール。その成り立ちの歴史は十万年前に遡る。中国地方から流れ出た千代川が運ぶ砂と日本海の沿岸流が運んだ砂が風と波の力によって集まり、気の遠くなるような時間をかけて推積してできた大砂丘は、自然がつくり出した偉大な造形なのである。 「遥かなる時。鳥取砂丘」の看板より キャプション 08 砂丘の“馬の背”に太陽が沈む瞬間を待った。スケールと迫力はあったのだが、太陽が水平線に落ち空も海も紅くなり太陽の中に人のシルエット撮影は不可能となってしまった。30分前まではこの雲はなっかったのに・・・残念だった。 キャプション 09 “馬の背”でのこんなドラマがあったのに・・・とても残念でしかたない。昼間から夕方のこの時間を待ち望んでいたのに! キャプション10 上−現在の餘部鉄橋。 下−2007年の頃の旧餘部鉄橋。 旧橋梁は、運用終了時までトレッスル橋として日本一の長さ(全長310.59 m川の河床からレール面までの高さ 41.45 m)で98年の長期運用実績を残した。平成22年に新しいコンクリート橋として橋架け替えをした。旧余部鉄橋は貴重な近代遺産を残そうと11本の橋脚のうち、3本が橋げたとともに残されている。 キャプション 11 東郷湖は山陰八景のひとつで県立自然公園の一部の汽水湖で「鶴の湖」の愛称で親しまれている。エビ・ワカサギ・シラウオなどを昔ながらの仕掛けで網の四隅に竹を張り湖岸の小屋から仕掛けで漁する「四ツ手網」は湖畔のランドマークになっている。 キャプション 12 砂の美術館は砂の彫刻「砂像」を公開するため2006年11月、鳥取砂丘の一角に野外美術館として誕生。私が見学したのは2010年8月の第4期「砂で世界旅行・アフリカ」“偉大なる大陸の歩みを訪ねて”だった。砂でこんな迫力が出せるのが不思議だった。 |
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(<<<カーネルは年4回の季刊で刊行>>> 現在は3、6、9、12月の季刊で発売されています。 CHIKYU−MARU 株式会社地球丸へリンクします |
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