車中泊 カーネル vol.9 ★能登半島&各地の自然現象★ Part.4 太陽柱(サンピラー)を撮影することができた <<< 2011年6月10日発売 >>> |
能登半島の旅では神秘的な光の柱、 “太陽注(サンピラー)”を撮影することができた。 この不思議な自然現象に心踊らされたことから、 もう一つの自然現象であるい“ダルマ太陽”を合わせて紹介する |
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<<<P60とP61>>> 能登半島では “キリコ祭り”を見物 能登半島は旅情誘う素朴で爽快な「内浦」と絶景な「外浦」の2通りの潮風を感じながら走れる。海岸線のドライブとなると、海の青・空の藍・山の緑を体感しながら走ると心は癒される。 自分としては地形的に半島と言えば大好きで、特に先端の「禄剛崎(ろくごうざき)灯台」を見逃す訳にいかない。 前夜から近くの駐車場で車中泊。 駐車場ではなにやら始まるようで地元の方が集まっていた。いつもの如く「車中泊するので一晩だけ停めてください」とお願いした。「駐車場の端ならいいよ」とOkをいただいた。 そのうち、鐘やおはやしなどが聞こえ駐車場には人だかりができ燈籠が2基入ってきた。まぎれもなく「地元のキリコ祭り」だった。 地元の空気感を身近に受けるとより強く旅情を体感できる。田舎のゆったりした時間の中で、ビールを飲みながら見物と相成った。23時を過ぎた頃には・・・夢の中で鐘の音は消えってしまった。 禄剛崎灯台からの感動の “サンピラー”を撮影 自然現象を調べてみると、「自然界に見られる諸現象」「人間の意志や働きかけとは無関係に自然の法則によって起こる事柄」と記されている。自然現象を専門的には説明はできないが、旅中に経験した太陽の上に光の柱が見える「太陽柱(たいようちゅう)」に迫ってみる。 起床タイムは午前3時30分。運がよければカメラマンとして、朝の恩恵を受けられる。夜空に星座が見えて、日の出前に空がほんのり明るく染まる「薄明(はくめい)」に遭遇できる。しかし日の出方向に雲があると星座も薄明も見れない。禄剛崎灯台に立ってみると東方向から雲が流れていた。 微妙な雲の動きで日の出の時間が近づくに従って、まるで空のキャンバスに赤色の絵の具で描いたように、ひつじ雲(まだら雲)が真っ赤に染まった。海面も空の赤が反射して幻想的。「あ〜」としか言葉が出ない。これは自然の芸術以外になにものでもない。 刻々と変化する自然現象に驚き「さ〜あ、これで舞台はできたぞ! 役者の太陽はどんな演出で登場するのだ!」ドキドキ、ワクワクしていると、なんと本物の役者が出る前に舞台にスポットが当たった。 寒い時期にまれに見れるという光の柱“太陽柱(サンピラー)”が赤い空に立ち昇った。季節的にも予測できないのが自然現象だがこの場面に立ち会えたことに感謝。まさしく神秘的な瞬間で不思議な現象に遭遇した。 自然現象はいくつもの条件が満たされた時に起こる現象で、心を躍らされ強烈な印象が残像とし心に記される。また、カメラを握る手や額や背中に汗をかいていることはシバシバある。旅先で撮影場所に旅人がいる時は、必ず「あ〜」と文字通り皆が絶句している。誰もが美しい景色と認識して何か得体の知れないものと共感するようだ。 各地の“ダルマ太陽”を紹介 なぜ、太陽がダルマの形になるのか 海岸で見れる「日の出」や「日の入り」の不思議な現象として、面白い形をする“ダルマ太陽”を紹介しよう。 なぜ太陽が“ダルマ”のような形になるのだろうと説を問いただすと、「蜃気楼説」と「大気による屈折説」とあるらしいで終わりたい。単に見るだけの人、撮影する者としては、形がユニークで、いつも見れないものがタマタマ見れたという気持ちに満足するだけで十分だろう。 気象条件や立地条件がととのえば見れるが、私自身は朝日のダルマは「千葉県の九十九里浜」「鹿児島の佐田岬」「広島県の田尻」、夕日のだるまは「愛媛県の伯方島」と数回しか撮影できていない。 太陽の形がまるでダルマの形に見えるのがユニークだ。ダルマ撮影の時には500〜1200ミリのレンズで狙うがファインダーに映る太陽は定位置に定まらない。日の出時に、太陽の上部が海面より出てダルマになり地球から離れまでは4分弱ほどしかない。地球が動いているのがよく解る瞬間でもあり自分が生きていることを実感できる。 まだ見ぬ “グリンフラッシュ”に出合いたい 旅や旅行で車中泊される方には、旅先での朝日や夕日を見るチャンス多々ある。天候にもよるが見ることができる状況に近い位置に居るのは間違いない。少なくとも宿に泊まっている人たちは建物の中にいて、その地球的規模の現象に出くわすことは確率が低いだろう。 あなたも、朝日が見れる時間帯に車中泊しているなら少しだけ時計のタイマーを夜明け前にセットしてみてはいかがかな? 感激・感動する朝を迎えることは保証しますよ。旅の思い出として印象に深く残り忘れない朝日となることになります。 私自身まだ遭遇できない現象は、まだ見ぬ“グリンフラッシュ” だ。 地球の大気がプリズムとなり太陽光が屈折し、朝日や夕日の上端が一瞬に緑色に光る現象。「見た人は真実の愛にめぐり合える」など幸せな伝説がある。 わずか0.1秒から数秒の一瞬なので気づかないことも多いらしい。水平線や地平線に重なる瞬間に見えるそうだが、一度でいいから見てみたい。 去年の夏より太陽を追いかける旅も2周目に入った。まだまだ見たことのないモノを追いかけて旅は続く。 |
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<<<60・61ページの写真の説明>>> 千里浜なぎさドライブウェイ 約8kmの海岸線。単車から大型バスまでが走れる砂浜は細かい砂が海水を含んで固くなり舗装道路のようになっている。千里浜なぎさドライブウェイは車で走れることで有名だが、その場に立ってみると浜と海が広く美しい。駐車した位置から海面まで数mしかない。遠浅で砂の目も小さく歩いても気持ちがいい。ほぼ真ん中あたりに陣取っていたが、浜の左右は端が見えないくらい遠い。5時間ほど浜辺で遊んだ。 木の浦海岸 珠州市の能登外浦の先端部分の約11km。高台から広い日本海を見下ろしながら一気に駆け抜ける道はスケール満点。 太陽柱(サンピラー) 大気中に舞う平らな氷晶によって、太陽の上下に光の柱が見える現象。冬から春にかけての寒い日に起こりやすく夜明けや夕暮れがチャンス。気温がマイナス15℃程度の時大きく成長するので、北海道などの寒い地域では低空で大きな太陽柱が見れる。夏に起きる現象としては珍しく能登半島で撮影できたことは嬉しかった。 広島県で見た“朝日ダルマ” 瀬戸内海とあって海に海苔の養殖をしている網が干潮と重なって見えている。養殖杭に鳥が止まっている。 愛媛県で見た“夕日ダルマ” しまなみ海道にある伯方島より撮影。瀬戸内らしさは何と言っても橋が写っていることだろう。 |
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(<<<カーネルは年4回の季刊で刊行>>> 現在は3、6、9、12月の季刊で発売されています。 CHIKYU−MARU 株式会社地球丸へリンクします |
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