![]() No28. 2005年7月号 2005年5月26日発売 ■ジムニー東北ひとり旅! 本州最北端目指して3,600km |
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ジムニーをこよなく愛するお馴染み岡村さん ゴールデンウィークにひとり旅で訪れた東北ツーリング 車中泊にて7泊8日、自由気ままにさすらった ハプニング満載の全行程をレポート |
未踏の地、東北目指して 旅好きな私でも津軽半島・下北半島・男鹿半島はまだ行ったことがなかった。若いときに岩手県〜山形県までは行ったことがあるのだが、秋田県と青森県は、まだ見知らぬ土地。 「いつかは必ず行きたい」と考えていた場所だった。地図で見る突き出た半島を見ると、面白いものがありそうに思えてしかたない。 これでジムニーひとり旅の行き先は決定! 趣味のカメラできれいな風景を撮り、温泉にも浸かりながらジムニーと宿とするツーリングに出発! 1〜2日目 イッキに北を目指す 私の住む広島県から山陽自動車道〜北陸道を経て新潟まで走り、国道を北上するルートだと、津軽半島までは1泊2日かかる計算。4月28日(1日目)に仕事を終えて家を出た。翌29日(2日目)の朝8時に新潟中央〜日本海東北自動車道の中条(新潟市内を抜ける)までイッキに走破。本日の目的地である津軽半島の龍飛岬まで半分以上走ったことになる。 途中、青森県黄金崎にある露天風呂「不老ふ死の温泉」に立ち寄り、津軽半島の突先の龍飛岬に着き、軽く夜食を済ませて寝たのは23時過ぎ。考えてみればイッキに北上し、途中で仮眠したのが3度で合計1時間30分ほどしか寝ていない。出発して27時間、買物と食事と仮眠と撮影時間の5時間を引くと22時間の運転。距離は1370kmだった。私も年齢に負けず体力・気力は衰えていなかったかな? 10年目のジムニーもまだまだ元気だ! 3日目 旅に予定変更はつきもの セットされた目覚ましの携帯電話が朝4時に鳴った。 前々日から走り続けた疲れか、起きようとするが目が開かないし吐き気がする。しかしせっかく旅に出てきて寝てたと言ったら笑われてしまうので、重い体を運転席に移し、朝陽の撮影場所探しをするため周囲を走る。岬の中でも少し高い位置に決めた・・・というより、東の空が赤くなり始めて大急ぎでカメラ2台をセット。 4時30分に下北半島辺りから日の出が見れたのは感動もんだ。 その後、龍飛灯台に登るとそこには津軽海峡をはさんで北海道が見えた。津軽海峡に接する北海道は、言葉では表現できない美しさなのだ。 今日は、龍飛岬より夕陽も撮影するつもりだったが、「日の出、日の入りコンパス」でみると、龍飛岬からの夕陽は北海道にかからず、ただの日本海に沈む夕陽となってしまう。次の案として半島の右に位置する尻屋崎より、下北半島の大間あたりに落ちる夕陽に決めた。 8時に龍飛岬を出発して尻屋崎に到着したのは16時過ぎ。尻屋崎には寒立馬(かんだちめ)が放牧されていて、岬先端部の車道入口に自動タイマーが作動するゲートが閉まっていて入れない。思い描いていた夕陽の撮影ができないため、仕方なく予定を早めて次の目的地「恐山」に向けて移動だ。 恐山に行く途中の薬研(やげん)温泉が無料の露天風呂を発見し、野宿は露天風呂「かっぱの湯」の駐車場とした。 4日目 地獄の体力テスト? 薬研温泉から40分で恐山に。徒歩で撮影する時の荷物は、カメラ2台、レンズが4本、中型の三脚と少しの機材(重さ10kg弱)。極楽浄土を思わせる幻想的な地形と硫黄臭が立ち込める「恐山」。火山性の独特の地形を撮影しながら1周(1時間40分)した。機材の重みで肩は痛いし歩いて足は棒で喉はカラカラ。これが1度目の体力テストだった。 恐山からむつ市(国道388号線)を大間町に向けて移動。途中には2度目の体力テストが。またも極楽浄土を思わせる幻想的な奇形岩で有名な「仏ケ浦」。1時間半の散策は予想通りの苦しい歩きになった。 疲れ果てた身体で本州の最果ての地、大間を目指した。ドンヨリとした天気の大間町に着いたのは15時。最北端に立つ気分を想像して楽しみに来た!・・・がそこにある風景は車と人でイッパイ。最北端を示す石碑の前などは行列状態だ。ガックリ。 楽しみにしていた夕陽撮影だが空には雲が覆いかぶさり太陽が覗く気配がない。ただ、今でも夕陽撮影していると状況変化が起きることがあり、少しの異変に期待した。撮影場所を下手漁港の堰堤に決めて待つこと1時間。すると一瞬、太陽が覗いた! 奇跡的な出来事に無茶苦茶喜んだ。 大間町には本州最北端の温泉がある。もちろん入浴して施設の駐車場を借りて本日の寝床とした。 5日目 出会いも旅の魅力 前々日のゲートが閉まって入れなかった尻屋崎の尻屋灯台が気になって再び向かうと、カヤックを積んだ白いパジェロが。思わず話しかけてみると、横浜からカヤックを楽しみにやって来られたという。カヤックや旅のことを話して、再開を約束して私は次なる目的地十和田湖を目指した。 下北半島の太平洋側を南下して十和田市に入ると、街中の桜は満開だ。国道102号線を奥入瀬に向けひた走る。奥入瀬渓流を登り切ると、コバルトブルーに輝く神秘の十和田湖が姿を現す。ここいらで本日の宿泊地を探そうと思い辺りを見回すと、駐車場にはキャンピングカーはおろか、県外の車や単車が一切いない。なぜだか気持ち悪く、湖畔での野宿はやめにした。 十和田湖から西に位置するところの林道脇に野湯「奥八九郎温泉」があっるという情報をキャッチ。カーナビをセットして目指すは野湯のある小坂町。60kmもあり、到着したのは21時。もちろん入浴して寝ることにした。 6日目 興奮の混浴 朝4時過ぎに目をさまし、さっそく朝風呂へ。明るくなって温泉の全景を見ると温泉は脱衣場も無い林道脇にある自然のジャグジー露天風呂だ。 湯に浸かっていたら滋賀県ナンバーの車が前を通った。若い女性ひとりが降りて来たと思ったら、いきなり後ろ側で服を脱いで「入ってもいいですか?」って!「ハッハ〜、よければ、どうぞ」。その姿は水着ではなく、バスタオルを身体に巻いているだけ。目のやりように困った。 「おひとりで旅ですか?」「どれくらいの休暇ですか?」「何処へ行かれます?」彼女から「写真を撮ってもらえないですか?」など・・・小さな湯ぶねの対面に座られドキドキしていた。結局は、肩まで浸かってのぼせた私が先に出ること。残念! 最後は彼女に頼まれていたお湯に浸かっている姿を撮影して別れた。私の温泉歴12年目であるが見知らぬ女性(若い)との二人っきりの混浴は初めてだった。 ここでまた、宮城県から来た大泉さん&小和田さんのカップと出会い、色々とお話を伺ってしまた・・・。 オット!話をしていたらもう10時を過ぎた。 本日の目的地は、男鹿半島。目指すは入道崎から沈む夕陽だ。 入道崎には15時頃に着いた。灯台を被写体にしたいのだが海が写らない。手前に男鹿半島らしい荒々しい岩肌を入れて撮るしかないだろう。岩と岩の間に波打つ浜を見つけた。ここでも綺麗な夕陽を拝ませて頂いた。 7〜8日目 そして現実へ ついに私の旅も終盤。東北からわが家のある広島へ向かわなくては。 途中、福井県の東尋坊で夕陽撮影して、その後も仮眠を取りつつ走り続け、家に着いたのは5月5日の朝4時だった。 全行程3620キロ。なんとか無事に「自由な旅」が終わった。 初めて見る景色、本州の最果ての地に見る夕陽。 無謀とも言えるジムニーの連続運転だったが、ほどよく疲れて心地良い走りだった。 寝むたくなると車を停めて目を閉じる。 その行動が私の旅そのものである。 楽しい旅が終わり、家に帰ると現実が待っている。 さ〜あ、このギャップを埋めるのが大変だ。 (フォーバイフォーマガジンでの本に掲載の記事はここまで・・・) もっと、詳しいことを見て見たい・知りたい方は、下へどうぞ! |
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2002/01/03よりカウト