車中泊 カーネル vol.48 冬号

広島県三原市須波
冬の海霧
Part41 1枚の写真から〜 SUNRISE


<<< 2021年1月9日発売 季刊誌>>>

 カーネルSTAFF photographer  岡村博文 Okamura Hirofumi

 ●筆者紹介●岡村博文 おかむらひろふみ
  1957年生まれ。広島県在住。
  高校時代から、徒歩・自転車・バイク・電車・車を使い沖縄を除く日本を1周する。
  2周目として2001年より「朝日&夕日を追いかける撮影旅」を始め、2010年に終了。
  3周目も撮影旅として2010年から2019年5月まで(北海道は保留。2020年訪問予定)。
  2019年10月から4週目に突入した。
                                   公益社団法人 日本写真協会 会員

2010年10月号から連載カラー2ページを40回に渡って引き受けていた。
今回の号から、冒頭で1枚の写真で掲載することになった。
編集長の希望であって・・・喜んでいいのやら・・・どうやら?
1枚で勝負する感があって、少しビビッているのだ。
文章も短くなり、楽になったような気がするが・・・イザ書いてみると、これが難しいこと。
短すぎて、どうまとめていいのか?
しばらくは、頭を悩まされるだろう。
<<<P7>>>

 
晩秋から冬にかけて、広島県三原市須波の風物詩がある。海からの霧だ。暗闇から薄明の時間へと変わるころ、瀬戸内海に霧が湧き昇る。日の出とともに陸側から流されて、点在する島々を覆い隠すほどの勢いとなる。海面を漂う霧の中を船が往来する姿は、霧のベールに包まれ幻想的な光景となる。

 一般的には三原須波のこの霧は、「海霧」のひとつと言われて。暖かく湿った空気に冷やされて発生する「移流霧」で気象用語でゃないが「毛嵐」になるようだ。

 撮影場所は、筆影山(標高311m)の展望台。西に尾道水道〜因島〜井口島〜大三島と多島の瀬戸内海が広がる。
また、中腹の道沿いからも、西の因島大橋から目前の佐木島へ霧が島を越える、迫力ある景色が見られる。さらに、近隣の国道185号線の須波町“稲成神社”付近からは、漂う霧の中で行われている漁風景や、往来する船が霧のすき間から見え隠れする。

 私も2001年から何度も撮影に通っているが、いつでも見られるものではない。撮影の確率を上げるための条件を、自分なりに組み立てている。前日の天気予報で、高気圧が中国・四国地方に居座っていること。昼間は暖かく、深夜から朝方に雲もなく晴天であること。そして気温が一気に冷え込むことが最低条件。さらに海岸線が無風で満潮が重なると撮影成功率がグンと高くなる。とはいえ、これだけの条件下でも神秘的な現象と言える「霧」に合えるのはワンシーズンで数度。だからこそ、見物人やカメラマンが、遠くから多く集まる理由に納得できる。
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季刊誌 1年に4回、発売されています

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