車中泊 カーネル vol.21

男鹿半島〜不老不死温泉を巡る


Part16 逃した夕日撮影にチャレンジ


<<< 2014年6月10日発売 >>>


拡大して見れます拡大して見れます
 カーネルSTAFF writer ・ photographer  岡村博文 Okamura Hirofumi

●筆者紹介●岡村博文 おかむらひろふみ
1957年生まれ。広島県在住。四輪駆動専門誌のレポーター・カメラマン。
高校時代からひとり旅が好きで、徒歩・自転車・バイク・電車・車を使い沖縄を除く日本を1周。
2001年よりは趣味のカメラで「朝日と夕日」撮影する旅を三十数回に分けて総走行距離約6万キロを走り(沖縄を除く)2010年に終えた。現在も続けて2周目に挑戦中で撮影のため全国を巡る。

男鹿半島(おがはんとう)は、高校時代に電車で東北を周遊したときに日数が足りずに行けなかったことから、憧れの地であった。あれから30年後の2005年にチャンスが到来した。津軽半島の竜飛崎と大間での朝日夕日撮影の際、立ち寄った青森県の黄金崎(こがねざき)にある露天風呂で撮影。その帰りに念願の男鹿半島で朝日夕日を撮影。しかし、リベンジが必要となり再度、2013年に“男鹿半島入道崎(おがはんとうにゅうどうざき)”に行くとことにした。
<<<P56とP57>>>

海岸と一体化した絶景の露天風呂“不老不死温泉”

撮影を始めた頃から、露天風呂で湯船と太陽が絡む絵(画像)が欲しいと思っていて、温泉雑誌でも紹介される日本海に沈む夕日を見ながら入れる“黄金崎不老不死温泉”を狙っていたのだ。昼過ぎに到着して「新館」の温泉で疲れを癒して夕方をまった。優先順位として大好きな温泉に浸かるか? 撮影の目的でもある太陽絡みを狙うか?
私の旅としてはカメラマンに徹することにした。露天風呂は日本海が目の前に広がり、湯船の近くまで潮騒をうけながら圧倒的な海のパノラマが広がる。濃い茶褐色のひょうたん型の浴槽で混浴できる。夕日が水平線に近づくとともに人も集まり三十名以上が湯船に浸かり日没の瞬間を待っている。また、私を含め夕日を撮影しようと湯船の後方にも十数名が待機している。よく見ると女性客も数人が見学している。日本海に沈む夕日と湯船に浸かる人たちの雰囲気が想像以上に幸せに見えて興奮気味の思いを抑えながらも撮影できた絵に大満足だった。


やっと辿りついた“男鹿半島”だったが?

東北を目指して北上した時に横切った男鹿半島には、なんとしても「行きたい」という執着心があった。強い意志のもと、不老不死温泉から津軽半島と下北半島を巡り、十和田市〜奥入瀬〜十和湖〜秋田県能代市〜男鹿半島の入道崎まで1,160kmを走った。男鹿半島の入道崎は秋田県男鹿市の男鹿半島北端に位置して男鹿国定公園内にあって日本海を臨む景勝地で、海に沈む夕日の美しいことでも知られる観光地。草原の高台を歩くが身体を揺さぶられるほど風が強い。
夕日の撮影ポイントを探すためウロウロしていると、カップルがクルマから椅子を取り出して草原の先端に陣取って海を眺める姿にロマンを感じて後方にカメラをセットしたが、灯台から少し離れすぎってしまった。どうやら旅・夕陽・甘美な空想を感じ過ぎて私自身もロマンチストになったようだ。
被写体としては抜群なのだが、ここが入道崎と解る写真とはほど遠くなってしまった。「あ〜やってしまった!」時折あることで、初めての撮影場所で、「もっといいところがあったのに・・・」ともう動けないパターン。撮影に不完全燃焼だった。せっかく天気や運にも恵まれ撮影にかける気持ちも絶好調だったのに残念。こう言うときは「また!もう一度おいで!」と言われたと受け止めて、反面「絶対にもう一度来るゾ!」と自分に言い訳をして納得する事にしている。これで2005年の旅は終わった。


逃した夕日撮影にチャレンジする

男鹿半島へ夕日撮影のリベンジは、2013年5月のこと。東北を仙台市から北上して八戸に抜けるコースで旅をしたとき、帰路を八戸で考えることにしていた。日程に少し余裕があり、天気予報もよさそうなので、太平洋側から日本海側に抜けて南下して帰るコースに決めた。そうなると7年前のリベンジを果たすべく“男鹿半島入道崎”へ行くことにした。
2度目となると、撮影ポイントは頭の中にインプットされていて、天候と時間を待つだけでいい。あとはレンズの選択と太陽の沈む予測位置と絶対に入れたい灯台の位置合わせだけだった。心にも余裕があり沈みゆく太陽をゆっくり鑑賞しながら納得のいく撮影できた。これで7年前の失態へのリベンジを果たすことができて夕日と灯台を絡めた画像は手に入れた。これで8年前の失態へのリベンジを果たすことができて夕日と灯台を絡めた画像は手に入れた。



  ちょっとタメニなる話?

お土産は旅中に食べること

高速道路のPAやSAなどや道の駅には地元の名産品は“お土産”として置いてある。
一般的には旅先で買ったお土産は知人や友人やご近所さんや家族へお土産として配るものだろう。私の場合は買ったお土産は地元の景色を感じながら食べることにしている。
地元ならではの自信作のお菓子はなんといってもその場で食するのが一番。
露天販売されている地元の食材で調理されたものも食べることにしている。
但し、袋や箱に貼ってあるラベルを見て買わないと失敗することがある。原産地や製造元がまったく違う県だったりすることがある。
大問題となるのは、家にも少しのお土産を持ち帰ろうと多種多様で食べ残すことになり、家族からは、「なんで、まともなお土産がないの」と
・・・いつも叱られる。

 各地のお土産
北海道名産の“白い恋人”や北海道限定の“とんがりコーン”、東北では“きりたんぽ”や福井県や石川県でも煎餅や餅や“ほたるいか”などを買って食べる。ちなみにこのくくりは函館から福井までの道のりで半分以上を食べた。山陰の道の駅で売っている“海鮮たこ焼き”は、タコ・エビ・ホタテがタップリ入ってと並ばないと買えないくらい人気。四国は伊予の名物の“じゃこ天”で一度食べたらやみつき間違いなし。ジュースは四国の大歩危小歩危あたりの地元で採れる“すだちのサイダー”。今回は思いついて掲載したのでほんの一例です。



キャプション01:入道崎の夕日
男鹿半島の入道崎は海岸段丘で広々とした草原に覆われた高台。ダルマ太陽にこそならなかったが日本海の水平線に夕日は落ちた。

キャプション02:入道崎灯台
入道崎の突端に立つ白と黒の二色の大型灯台(入道崎灯台)は日本の灯台50選にも選ばれている。

キャプション:なまはげ
これは写真だけでいいかな? お土産売り場にあった。イメージとしてお使いください。

キャプション03:入道崎の駐車場
5月の連休中で駐車場は満車状態。情報によると1200台可能とあるが? 食堂やお土産売り場の前では停めきれず舗装されていない所まで一杯だった。

キャプション04:夕日を眺めならが・・・?
美しい夕陽を眺めながらのパノラマ風景。カップルが椅子を持ち出し夕日を見ながら何を語っているのだろう。将来の夢かな?

キャプション05:入道崎の夕日を眺める特等席
芝生の鮮やかな緑と日本海の海や空の青が美しい入道崎。夕陽の時間帯が近づくと駐車場から人がぞくぞくと入道崎の高い台の突先に集まる。

キャプション06:車中泊する愛車
上が2013年に三陸海岸を旅したジムニーJA22
下が2005年に津軽半島と下北半島を旅したジムニーJA11

キャプション07:入道崎付近の岩場
日本海の荒波の波食によって落差30mもある荒々しい海岸で岩に当たる波は霧状となり突風で飛ばされカメラのレンズを濡らされた。撮影後に30分かけてカメラとレンズの手入れを強いられた。

キャプション08:遠くに寒風山
入道崎から男鹿半島を北東に望むと標高355mの“寒風山”が見えた。次回はこの山からの夕日撮影に挑戦したい。


キャプション09:入道崎の夕日とは言えない
カップルさんを撮影していたら灯台を入れる場所へは戻れなくなり、岩と岩の間に太陽を落とすのがやっとだった。

キャプション10:黄金崎不老不死温泉(こがねざきふろうふしおんせん)
ひょうたん型の湯船に浸かり夕日が沈むのを眺めて“不老不死温泉に入った”と言えるそうだ。かなり運が良くないと見れいないそうだ。湯船の温泉はもともと透明だが含まれる鉄分が酸化して濃い茶褐色となる。


キャプション11:不老不死温泉
日本海面した海岸線にある混浴露天風呂。左側が混浴で右側には女性風呂もある。雲ひとつない天気で水平線に太陽は沈んだ。

(<<<カーネルは年4回の季刊で刊行>>>
現在は3、6、9、12月の季刊で発売されています。

CHIKYU−MARU 株式会社地球丸へリンクします
 
 無断使用禁止・著作 H.Okamura Logoは使用許可済