今まで撮影用車両として活躍してきた白いジムニーJA11−3型からJA11−5型に乗り換えることにした。
別に故障した訳ではなく、エンジンの良く回るジムニーが見つかったのだ。
乗り換えに伴って、整備・修理費用も結構かかってしまったのだが、脚まわりのセッティングも決まり、かなり満足の行く仕上がりとなった。
パーツ取り用のJA11を発見
エンジンの調子がすこぶるいい!
以前から愛車JA11のエンジンの予備あ欲しくて探していたのだが、昨年12月にいい部品取りの車が見つかった。いつもお世話になっている車屋さんから「平成7年式のJA11ジムニーがあるヨ」電話があったのだ。「クルマの前面を修理した跡があるけど、肝心のエンジンは生きている。とりあえず、部品取り車として店に仕入れる予定」のこと。その「部品取り」ジムニーは自走可能だったので、仮ナンバーを借り、車屋さんと私とふたりで引き取りに行き、乗って帰ることになった。
運転してみると、すこぶる調子がいい。年式が新しいのと走行距離が少なく(6万km)からだろうか、エンジン音も軽く、絶好調。ターボの効きも良く、「エッツ、こんなに加速するの・・・」と自分のJA11との違いに驚いてしまった。そこで、ちょっと広い場所で急発進や、急停車して少し過激な走行テストを実施。ハンドリングも良く、走りのキレも良く、ちゃんと走るではないか!
部品取り用としては少し高い買い物だったのだが、書類もついているし、外見も綺麗。部品取りにはもったいない・・・。
というわけで、その時点で部品取り車の持ち主と交渉。今まで乗っていた白いジムニーJA11〜3型(以降白3型)と交換してもらうことになった。ただし、白3型に取付りつけてきたタイヤやショックやダンパー、ルーフキャリヤ、GPSなどをは取り外し、新しく入手するスキューバーメタリックのJA11〜5型(以降紺5型)に取り付けることにした。
白3型は不具合や気になるところを見つけるたびに修理、整備しており、現状では完調。車検も1年5カ月も残っていたが、ここでお別れすることになった。今では本当に有難う。そしてお疲れさま。
さあ、紺5型はすぐに車検&修理だ。実はここから先3週間の整備中に、あちらこちらに修理個所の整備中に、あちこちらに修理個所が見つかった。車屋さんからの電話で「どこどこが、曲がっている、割れている、変形している、折れそうだ」と次々と連絡が入ったのだ。この様子は、次回のエリアレポーター通信「修理&整備編JA11の弱点はここだ!」で詳しく解説しよう。今回は、エンジンの調子のいいクルマに乗れた喜びをお伝えしたい。
以前の白3型と同様に
紺5型をカメラ撮影車に改造
2003年12月28日に紺5型の修理・整備・板金塗装が済み、我が家に届いた。同じ日に今まで乗っていた白3型に搭載されていた手作りベッドやGPSやカーステレオ、無線機、ターボタイマーなど車内の小物類を外した。でも、さすがに年末(仕事納めが31日だった)、新しいジムニーに積み替える時間などなく、まして試乗している暇など全くない。とりあえず12月29日に任意保険の車両変更を済ませ、完全に乗れるようにしておいた。
年明けて2004年元旦、やはり乗りたくてしかたなく、「初日の出」を見に20Km離れた瀬戸内海(福山市鞆町)へ走り始め。3日には、白3型から外した手作りベッドを載せ換え、車内はやっと以前のように使い慣れた姿に戻った。
紺5型で軽いテスト走行
雪上で鍋焼きうどんを食す
4日の朝に冷蔵庫から手当たり次第に食物を袋に入れ、家を出発。私の場合、テスト走行と言えばもう、いつもの「道後山林道」に決まっている。家から約70Kmで林道の入り口に到着。景色は雪で真っ白になっている。4kmほど先のダート路面からは轍もなく誰も走っていない。
ここで四駆にシフトして、アクセルを踏む。しかし、なんと10mと行かないうちにジムニーは進めなくなってしまった。すかさずローギヤに入れて前進しよとするが、動かない。車から降りて見てみると、ここ数日で積もった新雪ではない。雪が固く深さが50cmもある。これではスタッドレスでは歯が立たない。デフやタンクガードが抵抗になり、前進できないのだ。
「マイッタな〜あ・・・」もちろんチェンーも持っているが、このはどうにもならないだろう。ましてやひとりである。計画ではさらに4km先、渓流の横で昼飯を作って食べる予定だったが、やむなく断念。少し戻って広い場所を探しそこで食べることにした。気温は氷点下2度程度だが、屋外での食事に決定だ。正月とあって、家の冷蔵庫には餅や数の子などがあったのでメニューは豊富。まずベースとなる「肉うどん」に餅を入れ「力ちうどん」とし、フライパンで焼いた目玉焼きも乗せて「月見うどん」にした。焼いたハムや「数の子」も添え、正月気分満点。はみかんとヨーグルトのデザートもあり、豪勢な昼飯となった。雪がチラチラ降る中、雰囲気は最高。四駆車であるがゆえに人気の無い所まで移動でき、ゆったりした気持ちになりながら自然と一体なる。やっぱり「やめられんなあ〜」。年の初めから幸せ一杯!!
肝心な走行テストの感想は?
乗り換えは大正解だった!
今回、JA11を乗り継いだことがきっかけで、JA11の1型から5型までの違いを調べてみた。
すると、私が新たに入手したエンジンが元気な訳(加速の違い)は、数字にも表れていた。最高出力が4型までの58psから64psに上がっているのだ。2速→3速→4速と加速するときは身体で感じるほどわかる。高速道路では、60km/hから100km/hまでの加速が3型と5型ではかなり違った。
また、5速は走行音が静かだと感じたし、カーステレオの音楽も良く聞こえたのだが、それは遮音材を追加されたことに加えて、内装がフルトリムされたからだということもわかった。
ブッシュをウレタンにして
ハンドリングを変えてみた
以前、白3型の時にシャックルの純正ゴムブッシュを硬めのものに交換して、高速走行の違いを実感していたので、今回はウレタンブッシュのすこし硬めの強化ブッシュをつけてみた。この効果はすぐに体感できた。高速走行中にフラツキがなく、直線性に優れた走りになった。ワイディングでは、コーナーを出時に車体がスート付いてくる感覚が、純正ブッシュと明らかに違う。ダートでも、コーナーから出て直進に戻る時に、車体が立ち直るのが早くなっている。強化ブッシュの使用は予想以上にクルマを安定させてくれた。
私の場合、脚まわりのセッティングのキーワードは「ロングルーリング」。トライアルやモーグル走行を行うわけではないので、ストロークやしなやかさは必要ない。逆に、屋根上での写真撮影や、取材での遠乗りを重視した結果、全体的に少し硬めになるようにダンパーやブッシュを選んだが、それがハンドリングにも好影響を与えたようだ。脚まわりのカスタマイズも合わせ、今回の乗り換えは大満足となった。
さて、次号では次々と見つかった故障個所の修理や整備の模様を詳しくお伝えしましょう。お楽しみに!
JA11は1型から5型まである
JA11は1990年3月に軽自動車の規格変更(排気量を550ccから660ccに拡大)にともなって登場し、1995年11月のJA12/22の発売まで続いたモデル。前身のJA71に搭載されていたF5AエンジンからF6Aに変更し、全車660ccのインタークーラーターボエンジンとなった。サスペンションは伝統の前後リーフリジットでJA11が最後となった。ちなみに、以下でご紹介する「型」は製造時期によって仕様の異なるモデルを、スズキが便宜的に呼び分けているもの、マニアが付けた呼び名ではない。
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●1型: 1990年3月〜1991年6月 [車体番号100001〜]
・F6Aシングルカムインタークーラー付きターボエンジンの出力は55PS、最大トルク8,7kgm。
・インジケーターは酸化触媒装置が付いてメーター内に排気温インジケーターが追加。
※限定車 1990年11月 ワイルドウインド
・専用ボディーカラーを採用。エアコン、メッキホイル、ルーフキャリアを標準装備。
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●2型: 1991年6月〜1992年6月 [車体番号150001〜]
・最高出力58ps、最大トルク8.8kgm。平成2年度排ガス規制対応により酸化触媒を装備。
・フロントグリルがSマークとなる。
・ステアリングは4本から3本スポークへ変更し、「TURBO」ロゴは健在。
※限定車 1991年11月 ワイルドウインドリミテッド 限定2400台
・ジムニー初のパワーステアリングを装備した。
・アルミホイールや専用シート、スキーアタッチメント付きルーフキャリアを標準装備。
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●3型: 1992年7月〜1994年4月 [車体番号200001〜]
・パワーステアリングをバンHCとパノラミックルーフECに標準装備。
・キー忘れ防止装置を追加。
・サイドミラーがドアからフェンダーに移動しサイドアンダーミラーが付いた。
・タコメーターが6500回転から7000回転へのレッドゾーンと変更になった。
・シリンダーヘッドが赤ヘッドだったが、シルバーに変更。
※限定車 1992年7月 スコットリミテッド
・ジムニー誕生から23年間で累計30万台達成記念で発売された。
・ブッラクボディの限定車。
※限定車 1992年11月 ワイルドウインドリミテッド 限定3500台
・モモ製ステアリングを装備。
※限定車 1993年11月 ワイルドウインドリミテッド 限定5000台
・前年の限定車からエアコンが温暖化対策によりHFC134a対応の新冷媒となった。
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●4型: 1994年4月〜1995年2月 [車体番号280001〜]
・全車に室内難燃化材の仕様。
・シートベルト未装着警告灯を装備
・ターボブースを知らせるターボインジケーターランプが廃止になりシートベルト未装着警告灯に変更された。
・オドメーターは10万キロまでと1桁増えた。
・サンバイザーも黒色から白色に変更。
※限定車 1994年6月 サマーウインドリミテッド 限定5000台
・サターンブラックとラジアンレッドマイカの2色をラインアップ。
・シンプルなベースキャリアを装備した。
・フォグランプが標準装備でなくなった。
※限定車 1994年11月 ワイルドウインドリミテッド 限定5000台
・サターンブラックとマーキュリーシルバーの2色をラインアップ。
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●5型: 1995年2月〜1995年11月 [車体番号320001〜]
・ランドベンチャーと呼ばれる特別仕様車が発売されている。
・エンジン:64ps、10.0kg-mへ性能向上。
・パジェロミニにライバル意識を対向させた仕様でありながら8ケ月の短命だった。
・ちなみに自車は322689である。
(参考注意)
説明は雑誌などをまとめたもの。
細かい変更部分は「型」の変更の前後に少しずれている場合もあるといわれている。
もちろん限定車発売の時期にも、各グレード車も発売されている。
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