先日、林道走行後、やたらと大きなガタガタ音の異常な音に気が付いた。
どこから出ているのかと思えばチェンジレバーから。
確かに以前からも少しは音も出ていたが、今回は少々大きな音に感じられた。
まさかシフトレバーが引っこ抜けるとは思わないが、このまま走り続けるのは不安。
なにしろ手をノブにのせると、手首を激しく揺すほどなのだ。
●異音の発見原因を予測し点検箇所を自分の目で確認
家に着く前に、いつもの車屋さんに直行した。行き着けの車屋さんは、もちろん専門的にアドバイスをしてくれる。だが、自分の目で見ないと気がすまない私が行くと、まず私の思い通りに車を持ち上げ、見たい所を見せてくれる。今回もガタガタするシフトレバーを握って帰りながら、素人考えで、@ミッションを載せているゴムがヘタって大きくズレている、A車内のシフトレバーのブーツが硬化して弾力がない、Bギヤシフトコントール部分、と3点ほど予測をしてみた。
さっそく、ジャッキで車を上げ、@のミッションを支えているゴムブッシュを点検。直視できる位置でなく、ミラー(鏡)を借りて確認をした。走行中に付いた泥をウエスで拭き取ってみたが、小さなヒビすら無いのが分かった。
このブッシュがヘッタってミッションの位置がズレ、車内のシフトレバーが大きく揺れるとの予想はハズれた。
続いて車内に入り、Aのシフトレバーのブーツのゴムの硬化と、その内側にあるもうひとつのゴムの点検をした。
このブーツの点検で、外のゴムはすぐに見れたが、その内側にあるゴムの確認は少々手こずった。自分で納得したい私には、どうしても工具を使いバラシテみたくなった。それを察知してか、車屋さんはいつものように、JA11の整備書を出してくれて、組み立て図をみながら説明をしてくれた。「このネジ4本を外し、次に3本を外すとシフトレバーが抜けるヨ」との5分足らずでバラせると教えてくれた。
そのまま外そうとすると、「本来なら、シートカバーを全部外してからするけど・・・。ちょっとしたコツがあるヨ」と言う。確かに、シフトレバーを覆っているジャバラのブーツに、シートカバーが被さりその下にゴムを固定しているカバー(鉄板)があり、その留めネジがシートカバーに隠れていて、レンチを入れようとしてもなかなか難しい。作業を遣りやすくする為には、カーペットを全部取ったほうがいいようだ。しかし、その留められたカーペットを取り除くためには、運転席と助手席のシートを全部取らなければならず、かなり面倒くさそうである。
「コツ」は4本のネジが留まっているうちの1ケ所だけを思い切りカバーを引っ張ると、かろうじてネジの頭が見える。この方法で4本のネジはカーペットをハガさずに緩めることができた。しかし、予測も外れて、ちゃんと弾力もあり、キズもなくゴムの老化とはまったく思えなかった。
そうなるとBのギヤシフトコントロール部分か?ちょいとやっかいだ。
しかし、すでにシフトレバーが抜ける寸前までバラしていることになる。3本のネジを緩めるといいのだ。ここからは、私も未知の世界で、いまいち組立図だけでは理解ができない。分解できそうだが、その後、走行できるように組上げなければ困る。ここで、車屋さんに工具を渡し、本来のカメラ&記録担当に戻った。
●なんと部品の取付け方の間違いを発見してしまった!
ミッションから抜けるシフトレバーを見て、「エッ、この簡単な装置でチェンジをするの?」ちっぽけな作りに驚いた。と同時に、この茶色の上と下にあるゴム(シート、ギヤシフトコントロールレバー、ロア)だと直感した。このゴムが老化・硬化して、縮んでシフトレバーのボール部分に遊びができたのだ。これを新しいものと交換すればガタガタが直る・・・とにらんだ。ゴムだからせいぜい、1個500円ほど、2個で1000円くらいだろう・・・。安く直るぞ!
しかし、よく見ると、上から押さえてあるゴムにシフトレバーを半固定するボールの溝に入るボルトを交わす穴が2つあることに気が付いた。よ〜く見ると、なんと、本来は1個の穴のものがなぜか2つあり、それも定位置になく、別の(正式の穴の横)位置に無理やり止まっていたようだ。新車のときからか、前オーナーがバラし組立てる際に間違えたのかは定かではないが、あきらかにこれは違う。ここまで、見極められれば、絶対に直ると車屋さんと2人で納得した。
注文した部品は、上と下のゴムとその上に付いているワッシャの3個。その後、車屋さんから電話が入り、上のゴムは単品で取れないとの事。確かにサービスマニュアルを見ても、部品番号が無い。レバー、ギヤシフトコントロールとセットなのだ。あのガタガタ音を直すためには交換するしかない。それにしても、どうして、上のゴムだけが無いのか不思議でしょうがなかった。
●ガタガ音の原因はゴムの部分からではなかった
届いたレバー、ギヤシフトコントロールの、古い物と新しい物を比べてみると、全体に古い物は錆がある。ゴムの状態も比べたが、すごく硬化して縮んでいるとは思えなかった。予想では、このゴムが縮んで、その中で動くボール部分に隙間ができ、レバーが遊んでいるはずだったが、違っているようだ。では、いったい、何がガタガタ音を引き起こしているのだう?
レバーをミションに差し込んで、レバーを動かすと、手に伝わる感覚が今までとはまったく違う。ギヤを変える動きが確実にコツ、コツとしっかりした滑りで動く。何かが違う。そこで、もう一度、ギヤシフトコントロールを抜いて、古いものと比べてみると、なんと、先端の丸い部分が違っていた。使用していたレバーはボールの中心より下側(ギヤに入る方)が丸くなく、平面化しているのが目視でわかった。なるほど、先端部分の磨耗で、ギヤシフトとの遊びが大きくなったのだろう。だから、ゴムだけの交換は許されず、レバーも同時に交換する必要があるのだろう。
このギヤシフトコントロール部分の修理では、メーカーが意図的にセットとして部品を出しているのに理由がそれなりにあるのかな?
メーカーへの問い合わせこそしてないが、「ゴムだけの問題ではないんだヨ」というように言われた気がした。もちろん、このギヤシフトコントロールの交換で、ガタガタ音がなくなったのは言うもでもない。
部品交換の為、ギヤシフトコントロール部分を分解して、組み立てる所要時間は、1時間ほどであった。ゴムだけで安く直せると思っていたが、結果的には「レバー、ギヤシフトコントロール(¥4,750円)」を交換することになった。しかし、これは大正解であった。交換して走行してみると、「ガタガタ音」が消えただけでなく、ギヤ変速時がスムーズに行え、「チェンジがシックリ」となったことは、予想外の成果であった。
JA11も今年で11年目で、あと少しで走行距離10万キロに達する。ひとつ直すと、必ず次が壊れる。これって、古い車の節理かな?
|
 |
自分の目で確認しないと気が済まないので、ミラーを借りて目視。
ミッションのブッシュに異常はないようだ。
|
 |
カーペットの下に隠れたネジを外すには、ちょっとしたコツが必要。アウターもインナーも問題なし。
|
 |
|
 |
レバーを半固定するボルトを外し、下側のゴムを取り出す。このゴムが劣化しているのでは・・・?
|
 |
シフトレバーを止めているプレートのネジを外すと、スッポンとレバーが抜ける。
二分割のゴムでボールを包んでいる。
|
 |
|
 |
矢印の位置にボールを固定するネジが入っていた。明らかに、取り付け方の間違いだ。原因はコレか!?
|

左 − 古い部品
右−新しい部品 |
 |
 |
新旧のレバー先端をよく見ると、古い方は球形の下側が削れ、平面化していた。どうやらコレがガタガタ音の原因だったようだ。
|
 |
<便利な、サービスマニュアルとCD・パーツカタログ>
自分でメンテナンスするなら、サービスマニュアル本があるといい。
私は手に入れてないが、車屋さんのを借りてよく使わせてもらう。素人の私でも、これを見れば、部品の分解や部品の種類まで、手にとるように解る。もちろん、部品番号も書いてあり、注文の際、間違えて部品を注文することはない。
また、CD・パーツカタログなる、品番自動検索システムもあり、これは、サービスマニュアル本と同じ分解図があり、部品の定価も入っている。車のシャーシーNoを専用画面に入力すると、車を見つけてくれる。そして、ほしい、部品をクリックすると、金額も出てくる。最後はそれが一覧表となり、そのまま発注することができるというすぐれものだ。
|
|
<<<今回交換した部品>>>
レバー、ギヤシフトコントロール 28101-82C02 4,750円
シート、ギヤシフトコントロールバー、ロア 28117-82C00 390円
ワッシャ 09164-24007 140円
品合計金額 5,280円
(工賃は別途請求)
|