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No13.
 2003年4月号

2003年2月26日発売


ジムニーJA11の後方視界を考える


自分のインターネット・ホームページにクルマのことを書いていたからだろうか
私宛に新しいバックミラーの宣伝の電子メールが届いた
これをきっかけに、愛車の後方視界を考えよう、というのが今回の企画
普段あまり意識せずに利用しているミラー類だが
いろんな発見があって、とても面白い取材になった。



(本文)
今までにないバックミラー?
いったいどんなものだろう・・・


 ある日、1通の電子メールが届いた。その内容は「当社の開発した車線変更ラクラクミラーM2Vo1(ルームミラー)を知って頂きたいためです。M2Vo1は、各界からも高い評価を頂いた優れものです。今までのルームミラーとは全く違った使い方でより快適なドライブを皆さんに楽しんで頂きたいと考えています・・・」

 また、いつもの誇大広告か。「削除ボタン行きかな」とおもいつつ、ホームページのアドレスがあったので、一応見てみた。そこには、丁寧にM2ミラーの説明があり、ついつい最後まで読んでしまった。

 一見、ワイドタイプの後付けバックミラーだが、鏡面の左3分の1が別体式で、別角度に調整できるサブミラーとしては使えるようになっている(左ページ参照)。これによってリアウインドゥの視界を得ることができる、というものだ。これは面白そう。と言うわけで、すぐに注文して購入。3日もしないいうちに届いた。



乗用車に装着してみると
意外に便利なことがわかった


 もちろん、愛車ジムニーJA11に装着して試す予定だったが、その前に乗用車に付けて走る機会があった。福山市より、広島市の往復250km。高速道路も200kmほど走った。すると、追い越し車線走行中に、M2ミラー装着の効果を実感することができた。バックミラーやサイドミラーでは見えていない車が、M2ミラーのサブミラーに映しだされたのだ。「エッ、どこだ?映っている車は・・・」。振り返ると、左リアサイドウインドゥ越しにクルマが見える。いつもなら、振り返ってチラット目視しなけばわからない位置のクルマだが、もっと簡単にチェックすることができる。これには驚いた。

 では、私の愛車・ジムニーJA11ではどうだろう?JA11の純正バックミラーはとても見やすく、後方視界に不満はない。果たしてM2ミラーの効果はあるのだろうか・・・。とにかく、実証あるのみである。



JA11ではどうだろう?
実際にテストしてみた


 そんなわけで、ジムニーJA11にM2ミラーを装着、車の位置関係を分かりやすくするために、もう1台ジムニーを用意して広場でテストした。
 結果は、左ページのようになった。結論から言うと、M2ミラーによって左後方の死角が減った。前を向いたままで、今までより多くの情報が得られるようになったのだ。
 ただし、ジムニーJA11に限って言えば、M2のサブミラーに映る助手席ヘッドレストが邪魔。加えて、助手席に人が座った場合は、その人の顔しか見えなくなる。単独乗車時に助手席ヘッドレストを外していれば、いいのだが・・・。


やはり車線変更の時に
役に立ってくれた


 とはいえ、死角を減らしてくれたことは間違いない。特に、高速道路や一般道路で、右側車線から左側車線に戻る時に便利。左後方のクルマとの関係を把握しやすくなり、車線変更を行うタイミングを図りやすい。また、交通量の多い国道で、右側車線が右折待ち等で急に詰まり、左へスッと行きたい、なんて時にも役に立つ。先行者との距離が縮まる中で、左後方を振り返るのは、結構イヤなものだ。もっとも、M2ミラーはあくまでサブ的なもの。状況証拠をより多く与えてくれるものと考えたほうがいい。

 例えば追い越し後の車線変更。この場合は、やはりサイドミラーがポイントとなる。教習所では「左サイドミラーに追い越したクルマが映るまでは、車線変更不可」と教わるが、まさにその通り。M2サブミラーにクルマがしっかり映っている状態では、まだ互いのクルマが近く、車線変更すべきでない。そのクルマがサイドミラーに完全に映るようになって初めて、車線変更可能なのだ。



車線変更時以外にも
いくつか便利なことがあった


 その他、交差点を左折する際に、左後ろサイドの微妙な角度にいる人や自転車、バイクなどが確認できる。車庫入れやバックをする時に後方がより広く見え、障害物などを発見しやすい。助手席に座ってみると、その位置かあリアウインドゥが見え、運転している時同様に後方確認できる(若葉マークの息子が運転していた時に、助手席からも後方を確認できた)。サブミラーを使わないときは、一面ミラーにうすると(横307mm・縦75mm)と超ワイドなミラーになる。走行運転中でも回転できるサブミラーで、車の中を見回すことができる。予断ではあるが、若いカップルでデート中なら、サブミラーを助手席に向けると運転中でも相手の顔の表情が見え、会話が弾むだろう(おじさんにはあまり関係ないが)。

 と、全般的にM2の評価は個人的には花丸であるが、敢えて希望を言うなら、サブミラー側を、もう少し広角気味にして、より幅広く見せてもらえると嬉しい。また、JA11では、取り付ける純正ミラー※が小さいのか、ぐらついてしまう。調整用のスペーサーでも付属していると、より固定が確実になる。

 とにかく、M2ミラーの使用によって走行の安全性は高まることになるが、車の運転常識として、後方確認が重要な時ほど、「振り返って目視」することを忘れずに走るよう心がけたい。




※M2ミラーの説明書に、装着可能な純正ミラーの大きさ(高さ)が57〜90mmと記されていた。JA11の純正ミラーは、少し楕円型で、高さが最大56mmしかなくて、少しぐらついてしまう。



(説明 1)
M2ミラーの装着実験結果
 M2ミラーをJA11に装着し、左リア・サイドウィンドゥ越しの視界が得られるように調整。ジムニーSJ30を左隣の車線に置き、遠くから近づけながら観察した。
<<<まず、Aの位置。>>>
ここではM2のメインミラーにSJ30が映っている。純正バックミラーもほぼ同じ見え方で、左サイドミラーにも小さくSJ30が写っている。
<<<次にBの位置。>>>
ここではM2のメインミラーからSJ30が消えている。純正バックミラーでも同様だ。左サイドミラーにもSJ30がが映っているが、SJ30がここからさらに近づいてくると、左サイドミラーからも消えてしまう。つまり、バックミラーと左サイドミラーの両方の死角に入ってしまうのだ。通常なら、確認の方法は振り向いてみる「目視」だけだ。ところが、M2のサブミラーには、SJ30の車体がしっかりと映っている。
ただし、ジムニーJA11の場合、M2ミラーのサブミラーの視界に助手席ヘッドレストが入ってきて、乗用車の時より見づらかった。説明書にも書いてあるが、ヘッドレストが高い場合はあまり良好な結果が得られないようだ。特に助手席にパッセンジャーがいる場合は、その人の顔が大写しで、後方視界はないに等しかった。
「やっぱりヘッドレストの高いジムニーJA11には適さないのか・・・」と思いつつ、M2ミラーのサブミラーの向きをさらに左に変えてみたら、なんと助手席窓の向こうの景色が映った。
ちょうど、Cの位置にあるクルマがよく見える。この位置にあるクルマは、サイドミラーでもバックミラーでも全く確認できない。こんな使い方もいいだろう。

(説明 2)
M2ミラーの視界
 M2ミラーの視界は、メインのバックミラーとサブミラーに分かれる。Aのクルマはバックミラーと、サイドミラーに映り、Bのクルマは、サイドミラーとM2サブミラーに移り、そこからさらに前進sると、M2サブミラーにしか映らなくなる。M2サブミラーによって得られる視界の幅が広がっていることが分かる。

(説明 3)
テストは、小学3年生よりジムニーLJ20の助手席に乗り、私と一緒にツーリングしていた息子康弘に手伝ってもらった。今年で高校を卒業、免許を取って、公道を始めて走った。記念すべき、初運転がジムニーとなった。将来、四駆乗りになることを期待したい。

(((詳しい説明は下記まで・・・)))

ケイズコーポレーション有限会社

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