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No12.
 2003年3月号

2002年1月26日発売


雪だ、雪だ、初雪だ!スタッドレスで山道へ


実は私、恥ずかしながら、雪道をスタッドレスタイヤで走ったことがない。
四駆だからいいじゃないか、という気持ちもあったし、わざわざ雪道を走りにいかなくても…避けていたところもあった。
でも今年は違う。
去年の12月にスタッドレスに換えていたので、もう、雪が待ち遠しくて仕方がなかったのだ。



(本文)
スタッドレスタイヤを履いたジムニーで
氷点下の風景写真にGO!


 
1月5日のこと。朝、新聞を取りに玄関に出てみると、昨晩から降り始めた雪で辺り一面が白銀の世界。新聞には「日本付近に強い冬型の気圧配置が続き、上空には非常に強い寒気が・・・。西日本でも断続的に雪が降り、鹿児島県でも積雪した」とあった。広島県の北部、高野町では、1月の積雪量が観測史上初の値(124cm)を記録したという。ほとんど雪の降らない私の町で、5cmも積もったのも納得。

 近くの山でもかなり積もっているだろう。よし、写真を撮りに行こう!と出かけることにした。目指すは仲間と一緒に建てたログハウスに通う道。いくつか滝のある渓谷で、脇道に逸れる林道もある。夏には、何度も走ったが、冬に走るのは初めての経験だ。

 移動の足はジムニーJA11。12月の中旬から、タイヤを夏用からスタッドレスに交換して、いつでも走れるように出動態勢は整っていた。

 実は、一昨年・昨年とスパイクタイヤ(地元の警察署、陸運局などに聞いたら地元では規制されていなかった)を履いて走っていた。でも、やっぱり、雪の無い道をガイガリと走るのはよろしくない。アウトドア愛好者として、道や自然環境を考えると心苦しかった。

 その後、ほぼ使っていない中古スタッドレスタイヤを入手。オーツのファルケンで、サイズは175/80R16。最新タイヤのように、「漂着バルーンゴム」とか、「グラスファイバーゴム」とかいったテクノロジーは導入されていないようだが、雪上や氷上の性能はノーマルタイヤとは比較にならないだろう。

 実は、スタッドレスでの走行は初めて。学生時代から、冬は冬眠の期間(遊ぶ資金の調達期間)と決めていたので、雪遊びは得意ではないのだ。もちろん恐れもある。道の表面が凍っていたり、登りで止まって発進する時、長い下りや林道での走行ではクルマはどんな挙動になるのだろう。今回は雪道スタッドレスインプレッションとしてみたが、様々な状況下でいったいどれくらいの効き目があるか実感する、という目的以上に雪道へ慣れる、という「心のテスト走行」も兼ねていた。


綺麗な景色をフィルムに収めながら
スタッドレスタイヤの走行テスト


 
服装は厚着。ホッカイロをポケットに入れて、タイヤチェーン、スコップ、長靴などを車に放り込み、意気揚々と出発した。渓谷を上流に登るにつれ、辺りは期待通りの積雪。山の木々に積もる雪や、川縁にある草や岩に着く氷柱。それらが全て美しい。何度も車を止めてカメラのシャッターを切る。

 渓谷から離れると一気に登りになり、標高を稼ぎながら林道へと向かう。不安だった登り(舗装道路)は、降り積もった雪など無関係とも言えるほど安定した走りだ。峠付近の標高は400m強。そこからダートの林道へ。山側には小さな水路があり、谷川は崖のところも多いが、雪でよく分からず、道幅は普段よりも狭く感じられた。それでも、前日につけられた轍が残っていたので、それが安全なルートだろう、と判断して走る。理由はいたって単純。人気のないこの時期、この雪の林道を、わざわざ車で走るのは猟師くらいしかいないからだ。猟師ならば、雪道走行も慣れている。

 途中、昨晩の積雪で轍が消え、進路が区別できない所もあったが、新雪の上を走るのも気持ちがいい。積雪はジムニーのデフ高よりちょっと低い程度。タイヤを横から見ると、ホイールまで届くほどの深さだったが、走行に支障はなかった。林道で走った後を見ると地肌の茶色が覗き、踏み固めた雪道とは違い、滑るという気配すらうかがえない。下りでもまったく不安は無かった。ただ「キャンパー走行」を試すことができなかったが、それはまたの機会に試してみよう。


四駆だからこそ広がる可能性
雪道にはスタッドレスだと実感


 
この日走った雪道は50km。スタッドレスタイヤの感想は、実に良かった。道の表面が凍った場所でも、雪が30cmも積もっていたところでも、圧雪路、ダート路、坂道発進等でも、想像以上に危なげない走りを見せてくれたのだ。

 もちろん、雪道をかっ飛ばすのが目的ではなく、「写真撮影のための移動」ができればいいわけだから、ゆっくり安全に走っている。いつでも止まれるスピードを保ち、路面条件によってスピードを積極的にコントロールし、急ブレーキや急発進、急ハンドルといった「急」のつく操作はしなかった。その結果として、十分な安全性、走行性能が得られたことに、満足している。

 この度、スタッドレスタイヤの性能テストができ、雪道走行も少し上手になったことで、冬の行動範囲が更に広がった。そして、家から間近な所に、別世界を見つけた気がした。
これからは雪が降っても、家に閉じ篭らず、ジムニーを駆って「雪」というオフロードに思いっきり出かけるようにしよう。





(@の説明)
氷点下の美しい世界を写真に切り取ってみた
渓谷を登っていると、滝が目に入った。小さな滝だが、落水の側面の草から氷柱が垂れている。路肩より水辺に降りてアングルを決め、三脚を立てた。
 水辺をファインダー越しに見ていると寒さを忘れさせてくれるほど面白い。川の流れや、岩にう飛び散る水、ツララから落ちる水滴が水面に届くまでの時間が、一瞬止まっているように見える。決して同じ動きはしていないはずだが、流れる水・飛び散る水・落ちる水も、一定の動きがつかめた瞬間にシャッターを切る。
 氷柱に太陽の陽が差すと光って宝石のよう。滝は谷間にあり日陰の時間の方が長い。が、待つこと40分。その瞬間を捉えたのがこの写真だ。
これが楽しい。
この醍醐味が写真の面白さだ。


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2002/01/03よりカウト