エリアレポーター通信のTOPへ

No10. 2002年9月号

2002年8月25日発売


GPS&パソコンでジムニーを電脳化


私は昔からアウトドア派と自負している。
高校時代も、授業中は旅のガイドブックばかり見ていたものだ。
今ではガイドブックの代わりにパソコンを使って情報収集をするようになったが、部屋で利用するだけでは飽きたらず、パソコンをクルマに載せ、アウトドアフィールドへ連れ出すようになった。
名付けて「ジムニー電脳化計画」である。


(本文)
出かける前の情報集めも大切
旅はインドアから始まっている


 学生時代のように、いくらでも時間があるのなら、行き当たりばったりの旅もいいだろう。しかし、仕事の合間に作った短い時間で充実した旅をするには、ちょっとしたコツがいる。例えば事前に情報をできるだけ集める。そして、この情報を、いかに上手く、効率的に活用するか、それを工夫するのだ。情報収集で重宝するもの、と言えばやはりインターネット。

 特にツーリング取材に出かける前には、自分の部屋のパソコンで、風景、景勝地、林道、史跡、食べ物、特産品などを調査し、高速道路の距離や料金、宿泊施設やキャンプ場などの位置などを全て調べるようにしている。さらに、ツーリング中の自車の現在位置が常に分かれば、調べたところへ行くのもグッと楽になる・・・。というわけで、旅の友、ジムニーJA11には、カーナビも搭載している。


目的地までの誘導はカーナビ任せ
市街地では車線取りに助かる


 ご存知の通り、カーナビは、GPS(Global Positioning System)を利用するハイテク機器。地球の周回軌道を回る24個の衛星から地上送られる電波を使って受信者の現在地を特定し、さらに、目的地までの道案内もしてくれるという便利なシステムだ。目的地を設定すると、到着予想時刻や残距離をリアルタイムで教えてくれる他、曲がるべき交差点に近づくと、注意を喚起してくれる。これは便利。本の地図を頼りに走っていた頃は、曲がるべき交差点に行っても、気が付いたときには右折車線に入ることができず、通り過ぎてUターン。なんてことも多々あったが、そんなことはなくたった。また、近くの店やコンビニ、ガソリンスタンドまでも検索できるのが嬉しい。

 ただし、カーナビの情報だけを頼りに行動半径を限定してしまってはいけない。カーナビはあくまでも情報集めの手段であり、その土地の魅力を探し出す嗅覚や、純粋に「走りたい」という本能までも殺してしまうのは本末転倒。旅の醍醐味は、五感で感じ、時には心の赴くままに行動する、というところにもあるはずだろう。



パソコン+携帯電話でネット利用
天気の最新情報を収集する


 しかし、風景写真を趣味とし、特に夕陽や朝陽の撮影に執念を燃やす私にとって、自車の位置よりもっと、欲しい情報がある。それは「天気」情報だ。出先からでもリアルタイムに、そして、より詳しく知りたい・・・。

 実は、私のウィンドーズマシン(ノート型パソコン)にアトラス2002というソフトに携帯電話を繋げると、地図上に各地域の気温や降水量が表示される上、雲の動きまで表示してくれる。これは、予測する際に非常に重宝する。おまけに、電子メールを使えば、キャンプ地からでも撮影した画像を、カメラ仲間に送ることもできる。

 というわけで、このパソコンを、ジムニーに積んで旅に連れて行こう!。と考えるのは、ごく自然な流れだった。


ノート型パソコンを使うために
DC・ACコンバーターを設置


 ノート型パソコンを車内で使うには、やはり電源の確保が問題となる。パソコンのバッテリーでは、すぐになくなってしまうからだ。しかし、クルマ電源は直流(DC)12V。家庭用電源は交流(AC)100Vなので、これを変換する「DC・ACインバーター」が必要となる。これは、大きなカー用品店等で入手できるもので、使い方は至って簡単。家庭用コンセントに繋げるのと同様、家電製品の電源コードをインバーター本体に差し込むだけで、クルマから電源を取ることができるようになる。

 ただし、廉価なインバーターでは、ドライヤーや電気ストーブといったハイワッタージの家電製品を動かすのは無理。さらに通常の短径波のインバーターでは、内臓バッテリーのないパソコン(つまりデスクトップタイプで正確な正弦波の電流を必要とするもの)も使用できないので注意が必要だ。

 DC・ACインバーターの接続は簡単なので、ここでは詳しく触れるつもりはない。しかし、バッテリーに直接繋げるのではなく、イグニッションのON/OFFに連動した場所から取る方法をお勧めしておきたい。バッテリーから直接電源を取ると、イグニッションキーがさしてあるかどうかに関わらず、いつでも電力を取り出せる反面、誤って電気製品製品を使いぱっぱなしにした場合、クルマのバッテリーが上がってしまう。山の中、ひとけのないところにキャンプすることが多い「ツーリング旅」には致命的なことなのだ。だから、私はイグニッションキーOFFでDC・ACインバーターも停止できるよう、シガライターソケットより電源を供給することにしている。


カーナビも林道ではタジタジ
そんな時はパソコン+GPS


 カーナビは便利だ。しかし、街に強いが、山や林道に弱い。山中で、より正確な現在位置を知りたい場合、例えば山中で、林道の入り口を探すときなどは、ほとんど役に立たない。
 そこで考えたのが、ジムニーに導入したノート型パソコンの活用。地図ソフトをインストールし、これにGPSを接続して、より詳しい自車位置情報を得るのだ。

 私が購入したのは「コンパクトフラッシュタイプのGPSレシーバー」でパソコンの「PCスロットル」に装着して使う。パソコンを屋外に持ち出せば、現在地が画面に表示されるというしくみだ。
使っているカーナビに比べると、画面が大きく、細かい情報まで確認できるのが長所。周りの地形や地名、走っている道がひと目で把握できる。さらに山深い場所でカーナビでは地図情報が不足し、自車のポインターが真っ白な画面上にあるだけ、といった状況でも、パソコンには小川等が表示される・・・といった具合に、自車位置もしっかり把握できた。また、画面上に東経と北緯と標高を常時表示してくれるため、どの方向にどれくらい動いているのか、そのくらい登ったのか、降りたのか、といった情報を細かく仕入れることができる。
 
私が使っている市販のツーリングマップ(本)には、林道の入り口部に東経と北緯が記入されているので、コレを併用すれば、林道をピンポイントで探すことも可能だ。ただし、この方法で林道探索を続けてうち、これらツーリングマップの情報と、自分のGPSの情報が異なる場合もあり、必ずしも万全な情報とは言えないことが分かってきた。そんな時は、自分のGPSの情報を、地図に書き込んで行けばいい。こうすることで、自分だけの、オリジナルマップを作っていくことができるだろう。

 山の入り口までは、カーナビで道案内をしてもらい、目的の林道に近づけば、パソコンGPSに切り替える。そんな使い分けが理想的だ。
 旅先での情報収集にインターネットを利用したり、デジカメ画像を保存することなども考え併せると、私にとってノート型パソコンは、もはや、なくてはならないものとなっている。



(@の説明)
愛車ジムニーJA11の車内。助手席グローブボックス前にあるのがDC-ACインバーター。ノート型パソコンの電源は、ここから取っている。パソコンの左側、PCスロットから顔を覗かせているのが、コンパクトフラッシュタイプのGPSレシーバー。そこから伸びるコードは、屋根上にあるマグネットの外付けアンテナに繋いである。写真は、自作のキャンピングベッド上で作業しているが、これはあくまで肯定的なレイアウト。いざ本格的にノート型パソコンを利用しようとすると、精密部品だけにやっかい。車内に固定するスペースを確保した上で、振動対策も考えなければならない。ハテ、狭いジムニーのどこへ・・・?というのが実は最大の悩みなのだ。



 4×4MAGAZINEのレポーターTOPへ



 無断使用禁止・著作H.Okamura Logoは使用許可済

http://oka39.net
2002/01/03よりカウト