エリアレポーター通信のTOPへ

No09. 2002年7月号

2002年6月25日発売


趣味の写真撮影用にルーフキャリアを装備



屋根付きのJA11を買った時から、どうしても装着したい外装パーツがあった。
それはルーフキャリア。
ツーリング中の撮影で、少し高い位置から撮りたいな・・・という時に、ルーフキャリアがあれば、そこが即席の撮影台になる。
というわけで、愛車に合う中古キャリアを探していたら、ようやっと入手することができた。
今回は、このキャリア装着の顛末をお伝えしよう。



(本文)
どうしてもキャリアを入手したい
それもアルミ製ルーフキャリア


 今回、スズキ純正のルーフキャリアを、インターネットのオークション経由で入手した。読者の方はもうご存じだと思うが、ネットオークション経由とは、ネット上に出品される中古製品(自作や新品もあり)に対し、ネット経由で値段を付け、一番高い値をつけた人が競り落とす・・・というシステムだ。その性格上、オークション締め切り間際に値段がどんどんつり上がることが多いので注意が必要だ。今回私が見つけたアルミルーフキャリアは、5000円からのスタートなんとしてでも入手したかったので、自分なりに出せる金額を12000円+送料2600円まで!と決め、パソコンの前に座って「勝負」をかけた。
 結局落札価格は9500円。その後、銀行振り込みで送金し、売主よりキャリアが届いたのは2日後だった。
 落札前に資料で調べたら、JA11用アルミルーフキャリアは、平成7年式くらいから特別仕様のランドベンチャーにオアプションで付いていたことが分かった。当時のメーカー希望価格は55000円ほどだったようだ。
 入手したものを見ると、フット部分はアルミダイキャスト製。デザイン的に洗練されたいるものの、最大積載重量は30Kgと控えめな数値になっていた。


最大積載重量を80Kgに強化!
3mm厚アルミ板の追加加工


 キャリアを地面の上に置き、私が乗ろうとすると、天板がヘコミそうで、とてもじゃないが乗れる状態ではない。わたしの体重70数kgにカメラやレンズ、三脚など、その他諸々の機材を合わせると約80kgに及ぶ。それに耐えられる造りが必要となる。そこで、3mm厚のアルミ板を切って貼ることにした。天板の上に重ねて補強するのだ。
 アルミ板の切断は知人の工場に行った。自分で切ろうと思って相談に行ったら、いきなり大きな機械で「ペッキン!ペッキン」と切られてしまったのだ。これは油圧シャーリングマシンと言って、13mmの鉄板でも押し切ってしまうそうだ。刃の長さは3100mmというから驚きだ。自分で金のこかサンダーか電動丸のこを使って切ろうと考えていのに、あっけなく終わってしまった。
 早速天板の上にアルミ板を載せ、寸法を確認し、切断の代金を払って帰ってきた。「これしきならお代はいらないヨ」ともいわれたのだが、申し訳なくて2000円払って帰ってきた。


アルミ板の固定は車屋さんで行う
ステンネジ?いやリベット留めだ!


 アルミ板の切断後、その足で知り合いのクルマ屋さんに直行。仕事中のおやじさんに、どんな留め方がいいか相談したら、「リベット留めでやりな!」とのこと。「リベット留め」は経験がなく、それも「コンプレッサーの圧力式」というのは見るのも初めて。ついでに「穴も自分で開けろ」とのことで、結局道具だけ貸してもらうことになった。
 でもこれが意外に簡単。キャリアの天板と補強用のアルミ板を重ねてドリルで穴(4.8mm)を開け、そこへリベットを差込み、リベッターのスイッチレバーを握る。すると「パッスン」という音と共にリベットの先が引き寄せられ、もう一度握り直すと芯棒が切れる。あまりにも簡単なので、リベットを6か所打つのに、3分とかからなかった。
 恐る恐るキャリアの上に乗ると、「ギシ・・・」、足を動かすと「ギシギシ」と音がする。キャリアとアルミ板がスレるのだ。そこでもう一度リベットを外し、天板とアルミ板の間にシリコン材を塗って緩衝材とし、さらにリベット留めを16か所にして、もう一度上に乗ってみた。すると、今度はギシギシしない。完璧だ。完成までの所要時間は40分ほど。


テストは「狸組ツーリング」
撮影の構図の幅が広がった


 強化して取り付けたアルミキャリアは、ぶっつけ本番で「たぬき組ツーリング(262ページからのウッドランドトレイルを見てね)」で使用することになった。今回のツーリングでは、何度もジムニーの上から撮影した。林道でのコンボイ風景や風景撮影にもかなり助けられた。例えば、クルマの後ろに広がる風景を俯瞰(ふかん)で映し込むような場合、今までは、自分が立てるような高い構造物を探しながら撮影していたが、バックの景色がキレイな時に限って、なかなか都合のいい踏み台がない。ところが、このジムニーなら好きなところへ置くことができるのだ。キャリアに立ってカメラを構えると、地上からの高さは約3m。この位置からなら、いろんな撮影ができる。構図の幅が広がって嬉しいばかりだ。ただし、キャリアへの登り降りにはちょっとしたコツが必要。後のバンパーに左足をかけ、右足をスペーアタイヤにかけて行うのだ。できれば、リアラダーが欲しいところだが・・・。


綺麗に頑丈にできたキャリア
写真撮影用としては合格


 もともとこのスズキ純正ルーフキャリアは、軽い荷物を積載するために造られており、人間が上に乗ることは考慮されていない。そこへ80kgからの重量物を載せようというのだから、それなりの補強が必要だったのだ。今回、私は天板のみを補強したわけだが、結果的に言うと、これで充分だった。思ったより頑丈で、私が乗っても天板のタワミは無く、ガッシリしている。補強用のアルミ板を、メッシュの模様入りのものにしたのも大正解。靴に泥がついていても、雨で濡れていても、「滑る」という感覚はまったくなかった。キャリアの大きさは約1メートル四方だが、撮影で使うのに「狭い」と感じることもない。走行中も、天板とアルミ板の擦れ音が発生することもなく、非常に快適に利用することができた。
 とにかく今回のキャリア補強は非常に満足。これで、JA11は、撮影用機材車としてさらに便利になり、風景写真はもとより、林道走行中の撮影で活躍してくれることだろう。



 4×4MAGAZINEのレポーターTOPへ



 無断使用禁止・著作H.Okamura Logoは使用許可済

http://oka39.net
2002/01/03よりカウト