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No02.
 2001年12月号

JA11で行く撮影旅行

山口県・角島&千畳敷編



(本文)
先月は、新たに仕入れたジムニーに、カメラやクロカンアイテムを積む棚とキャンピングベッドを自作し、ハードな林道へのアタックもカンペキ!となったことをお伝えした。今月はいよいよジムニーの初撮影旅行。行き先は山口県豊北町の角島大橋。狙うは、海をオレンジ色に染める夕陽である。


青い海に曲線を描く1本の橋 ・ エメラルドグリーンの別世界

山陽自動車道をひたすら山口県に向かい中国自動車道に合流。山口県・美祢市で降り、国道435号線を北西に走り北長門海岸国定公園の豊北町を目指した。
到着した所はエメラルドグリーンに染まる海土ケ瀬戸(あまがせせと)に、1直線に伸びる角島大橋。
なにかのコマーシャルにでも出てきそうな景色だ。向かいの角島(つのしま)を結んでおり、離島を結ぶ無料の橋としては、国内で最長となる(1780m)。
予め撮影ポイントとして「角島大橋」と「角島灯台」での2ケ所を選んでいたのだが、現地に立って見て、こちらの橋に決定。ポイント探しに何度も橋を往復しながら位置を確保したのは午後5時頃だった。


何度見ても夕陽は綺麗だ ・ 大自然のドラマに時間を忘れる

日の入りは午後7時頃の予定。6時45分ぐらいから空が少しづつ赤くなり始め、太陽が沈む位置が予測できるようになってくる。いろいろ考えた結果、アングルは「空にある雲と海が赤く染まりその中に走る1本の橋」と決定。待つこと10分。
6時58分になると太陽は角島に隠れた。この時から空と海に大きな変化が現れる。時間とともに刻々と色が変化していく。私はこの時間が一番好きだ。地球が太陽の周り回っているのを実感できる時でもある。
空も海も暗くなるまで、カメラに向かい、変化する景色を味わった。


以前走破できなかった白滝林道にリベンジを試みたのだが・・・

角島大橋横の駐車場にて車中泊の後、翌朝、日の出の撮影を行なって白滝林道へ向かう。ここは同じ広島のエリアレポーター伊豆田氏と取材で1度訪れたことがある。その時は工事中で先に進むことができず、やむなく引き返した思い出がある。
この林道は国道435線の豊北町の白滝神社より天井ケ岳・白滝山を目指し反対の湯谷町に抜けている。
最初はアスファルトとコンクリートの道だが、白滝神社より1kmと入るとダートになる。バラスを敷き詰め、雨で少し地肌も出ている感じでまあまあの荒れぐわい。
途中で西側が開けた所に出ると角島も見え海が大きく視野を広げた。う〜ん、綺麗だ。ここからの夕陽が良かったかな?
ふたたび走り始めると北側に海と湯谷町が見え始めた。よし、一気に下ろうと思ったのも束の間。生き止りになっていた。やむなく、国道435号線に引き返した。
でも、久々の林道で、すがすがしい気分で走れたのは事実。
結構楽しませてもっらた。ジムニーはやはり林道、ダート道が似合う。


大平原の「千畳敷」に到着 ・ 綺麗な海で海水浴と相成った

白滝林道より国道435号線に戻り荒木温泉の交差点を国道491号線を入って北上する。目指すは標高333mの高台に広がる千畳敷(せんじょうじき)だ。着いてみてビックリ、緑のじゅうたんを敷き詰めたような大草原で水平線を一望にすることができる。天気も良く爽やかな風は暑さを吹き飛ばしてくれる。あちらこちらでアベックが横たわり緑の草原に「優しさ」という彩りを添えていた。。
早速夕陽のポイントを決め、朝陽の撮影もここで行なうことに決定する。
ところが時間を見るとまだ午後1時過ぎ。この綺麗な海を見ていると泳ぎたくなってしまった。今回の旅は息子の英輝(小学5年生)が同行している。5月に「狸組」のツーリングに初参加してその味を知ってしまい、車でツーリングと聞いただけで敏感に反応したようだ。何年も海に連れて行ってなかたのだが、「海で泳ぐか?」の問いかけに「ウン!」。すぐに「二位ノ浜海水浴場」に行った。
この浜は檀ノ浦の戦いで敗れ、幼い安徳天皇を抱いて海に身を投じた「二位局の亡骸」が流れ着いたといわれる悲しい伝説があるそうだと息子に話をするが、綺麗な海に見とれてまったく聞いて無い様子!。
まあ〜いいか。現代美しいは海水浴場で楽しい時間を過ごさせてくれる。3時間ほどくつろいでシャワー浴び、さっぱりしたところで、ふたたび千畳敷へUタウン。近くのコンビニで夕食と朝食と夜の酒のつまみを買い込み車泊の準備も済ませた。
前日と同様、午後7時前から空が変化し始めた。ここでは夕陽をバックにジムニーをシルエットという構成狙い。でも思うようには空が赤くならなかった。こうなると期待できるのは日の出のみ。車の中で一杯飲みながらいつの間にか寝ていた。


朝陽の撮影はなかなか難しい ・ 一瞬のチャンスをモノにしろ!

この高台に西日本最大級の風力発電所・日置(へき)フィンドバークがあり、一晩中低音の響きをさせながら回っている。目覚まし時計もないのに、東の空がほんの少し明るくなる時間(5時前)に目が覚めた。外に出と寒い。半袖1枚ではいられない。上に長袖を着てカメラ機材を下げ、展望台へ上がった。
少しして水平線が横一直線濃紺に広がり、さらにそのすぐ上が赤くなり、幻想的な色を見せ始める。これは凄い。登ってくる太陽はきっと想像を越える美しさであろう。だんだん、空一面が赤く、そして青くなり、日の出の位置が白くなり始める。
次の瞬間、まばゆいばかりの太陽が顔を覗かた。サーア来るぞ・シャッターボタンに指を乗せて構える。ご存知だろうが、太陽はその出現から全体像を見せるまで、ほんの2〜3分しかない。よそ見をしていると見逃してしまう。あれっ、明る過ぎる。丸くでっかい太陽は?ああ〜、天気が良すぎたのかな? 次の瞬間には、終わってしまった。撮影としては、納得のいかないものであったが、見物するには最高だった。パット海を照らし、力強く登る太陽は今日も地球を照らしてやるぞとばかりに言っているようだった。

今回の写真撮影の旅で、この世の中、まだ見てないものがあり、走っていない道もあるということがよく分かった。
さあ、今度の休みの日も、ジムニーと一緒に被写体を探しに山にでかけよう。




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